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コミヤマブログ

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当社の子会社「株式会社みらくる」が新聞で紹介されました。

2022-07-20

信濃毎日新聞 2022年7月14日 記事掲載

以下記事紹介


独自の繊維強化プラスチック(FRP)技術を持つベンチャー企業の「みらくる」(小諸市)が、製品開発を本格化させている。炭素繊維やガラス繊維で強化した従来の複合材より割れにくい特性を生かし、産業用の防護具やスポーツ用具などを製造販売する計画。人工衛星の機体など航空宇宙分野への参入も狙っている。

 みらくるは、建設機械部品製造のコミヤマ(小諸市)と、信州大工学部(長野市)の中山昇准教授が出資し、2021年11月に設立。同社副社長の小宮山始(はじめ)氏が社長を務める。材料開発が専門で、諏訪地域の5市町村と同学部による「SUWA小型ロケットプロジェクト」の責任者でもある中山准教授が、技術顧問を務める。みらくるは、14日に信大発ベンチャーに正式に認定される。


建設機械や産業車両向け部品の鍛造を手がけるコミヤマは18年、従業員の安全を守る防護具の共同研究を中山准教授に依頼。大型のハンマーで鉄を打つ際、「バリ」と呼ばれる鉄片が高速で飛散することがあり、胸部から股下までを覆う防護具が必要になっていた。自社で試作したアルミ製の防護具は重く、作業負担が大きかったという。

 飛行機の機体などに使われる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使う方法もあったが、CFRPは軽く強度がある一方、割れると断面が鋭利になり、人がけがをする恐れがあった。ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)も同じ危険があり、重量も課題だった。

 中山准教授らが開発したFRPは、原料に超高分子量ポリエチレンを使い、適度な弾性と強度、軽さを実現。衝撃で割れにくく、貫通力に対する耐性が高い。CFRPのように電波を遮る性質がないため、人工衛星の機体に使っても通信に影響を与えないという。21年に特許申請した。

 同年の東京パラリンピックでは、このFRPが車いすラグビーの日本代表を支えた。車いすの車輪を保護する「スポークガード」に使われ、競技中の衝突で車輪が壊れるのを防いだ。16年リオデジャネイロパラリンピックで採用されたスポークガードより破損しにくく、3割以上軽量化したという。

 コミヤマの22年3月期の売上高は約49億円で、建設機械の堅調な需要を背景に過去最高を更新。子会社のみらくるで事業分野の拡大を狙う。スポーツや航空宇宙、高い安全性が求められる医療・介護用品分野への参入も視野に入れる。

 みらくるの小宮山社長は「数年後をめどに製品の量産体制を整えたい」とする。中山准教授は「無限の可能性を秘めた素材を共同開発できた。どのようなビジネスが展開できるか、検討を深めていきたい」と話している。

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